H-SP-MAC: 隠れ端末問題の解決を目指したメディアアクセス制御SP-MACの改良

濱本 亮  小畑 博靖  安藤 竜馬  山本 酉貴  高野 知佐  石田 賢治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J99-B   No.10   pp.893-907
発行日: 2016/10/01
早期公開日: 2016/07/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2016IAP0002
論文種別: 特集論文 (ネットワークの設計・制御・分析・管理技術論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
無線LAN,  同期現象,  結合振動子,  メディアアクセス制御,  隠れ端末問題,  

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あらまし: 
IEEE802.11規格に基づく無線LANで用いられる代表的なメディアアクセス制御(MAC)としてCarrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance (CSMA/CA)が挙げられる.しかし,CSMA/CAにはアクセスポイントに接続する無線端末数の増加に伴ってデータフレームの衝突が頻発し,全無線端末の合計スループットが低下する問題が知られている.この問題を回避するために,我々はこれまで結合振動子の同期現象に基づくMAC方式(以降,SP-MACと示す)を提案してきた.SP-MACを利用する端末は,データフレームの衝突を回避することでスループットを大幅に向上できることを確認している.しかし,これまでのSP-MACに対する評価は,全無線端末がお互いのチャネル利用状況を認知できる,すなわち隠れ端末が存在しない環境でのみ行われてきた.現実の無線LAN環境では隠れ端末の存在が無線端末の合計スループットに影響を及ぼすことが予想される.そこで,本論文では隠れ端末が存在する環境におけるSP-MACの問題点を明らかにし,その解決策であるSP-MACの改良方式を提案する.シミュレーション評価の結果,通常のSP-MACはUDP通信を行う場合に,隠れ端末が存在することで合計スループットが大きく低下するが,改良方式は通常のSP-MAC,及びRTS/CTSを用いないCSMA/CAと比べて高い合計スループットが得られることがわかった.