複雑ネットワーク上での影響力の伝搬によるノルムの収束について

渋澤 亮介  菅原 俊治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J98-D   No.6   pp.873-883
発行日: 2015/06/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2014SWP0027
論文種別: 特集論文 (ソフトウェアエージェントとその応用論文特集)
専門分野: エージェントベースシミュレーション
キーワード: 
ノルム,  複雑ネットワーク,  影響力,  強化学習,  マルチエージェントシステム,  

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あらまし: 
本論文では,近隣で同調するエージェントに基づいた影響力を導入し,それを学習とともに伝搬させるノルム(規範)学習の枠組みを提案する.また,これにより,複雑ネットワークにおける近隣とのインタラクションのみで,既存研究より高い確率でエージェント全体でノルムが収束することを示す.人間社会では協調や調整を行う際に,直接の情報交換だけでなく,インタラクションを繰返し,その経験から適切な戦略をノルムとして同定することがある.人間代理として働くエージェントは,他者とのインタラクションから競合回避した協調戦略を取る必要があり,ノルムによる協調の実現は重要な研究課題である.全てのエージェントが共通のノルムにしたがうことで系全体として効率が向上するため,ノルムが全体に収束するメカニズムが重要となる.本論文では,人間社会にて周囲の意見を集めるプロセスを参考に,協調するコミュニティのサイズを影響力に反映させ,戦略とともに伝搬させることでノルムを収束させる.三種類の複雑ネットワークと実環境のネットワークに基づく評価実験から,協調ゲームを繰返し学習することでノルムが伝播することを示す.また,既存手法と比べ,提案手法がネットワークに基づく局所的なインタラクションのみで,ノルム収束を促進できることを示す.