単純化方略を用いた問題解決失敗の自己克服支援システムとその実践的評価―初等力学を対象として―

武智 俊平  林 直也  篠原 智哉  山元 翔  林 雄介  平嶋 宗  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J98-D   No.1   pp.130-141
発行日: 2015/01/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
論文種別: 特集論文 (多様化する学習・教育支援論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
単純化法略,  自己克服,  初等力学,  問題演習,  システム,  

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あらまし: 
問題演習において,問題解決に失敗した学習者に対して行われる活動は一般的にその問題に対する解答・解説などのその問題の解決に関する直接的な教授であった.しかしこれは学習者にとって受動的な学習であったといえる.学習者に能動的に学ばせる上では,直接的にその問題の解き方を教えるのではなく,問題解決失敗を自分で克服させることが望ましいが,解決に失敗している学習者が単独でそれを克服することは難しいことも明らかである.本論文では直接的な教授活動なしで問題解決の失敗を克服する活動を自己克服と呼び,その自己克服を支援する方法として,問題中のできる部分とできない部分を切り分けながら演習を行う単純化方略を提案する.これは個々の問題の構造とその構造に基づく問題間の関係性が明確に定義され,それらの差分の中に学習者の困難さが存在すると仮定できる場合に実現可能な方法である.本論文では,このような条件を満たすドメインである初等力学を対象として,この単純化方略を用いて問題解決失敗の自己克服を支援する演習システムをタブレットPC上で開発し,高等専門学校の正規の授業で利用した.その結果として,本来は難しいはずの自己克服活動が多く観測されたことから,本システムの有用性が示唆されたと判断している.