共振器間結合の現象論と本質論

粟井 郁雄  張 陽軍  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J98-C   No.12   pp.314-321
公開日: 2015/11/11
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 
論文種別: 招待論文 (大学発マイクロ波論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
共振器,  結合係数,  結合モード理論,  マクスウェル方程式,  現象論,  実体論,  本質論,  定義,  

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あらまし: 
マクスウェル方程式を基に結合モード理論を用いて,共振器間の結合係数を多様な表現で算出している.まず周波数を用いた既知の表現が実は時間(周期)を用いて書き直せること,いいかえればフーリエ変換の関係にある周波数軸上と時間軸上で記述できることを説明している.更に共振器を形成する材料によって夫々に特化した表現が可能であること,すなわち金属共振器では金属の表面を流れる導電電流の励振効率,誘電体共振器ではその内部を流れる分極電流の励振効率で結合効率が与えられることを明らかにしている.これらは結合に寄与する実体とその運動を明示している点で最も本質的な表現であると言えるが,それらの電流によって生じた空間中の電磁界の重なり積分によって,より間接的な表現も可能であることを示している.これらの様々な表現はそれぞれ現象論的,実体論的,本質論的なものと位置づけられ,共振器間結合のいろいろな側面から見た描像が明らかとなった.