線形及び非線形信号処理を用いた端末共同干渉キャンセルの屋外伝送実験

林 勇治  村田 英一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J98-B   No.7   pp.689-695
発行日: 2015/07/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
論文種別: 特集論文 (若手研究者のためのステップアップ論文特集)
専門分野: 無線通信技術
キーワード: 
マルチユーザMIMO,  共同干渉キャンセル,  MMSE,  MLD,  屋外伝送実験,  

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あらまし: 
従来研究されてきたプリコーディングを用いるマルチユーザMIMO伝送では,伝搬路を推定するためにフィードバック遅延が発生する.このため伝搬路が時変動する環境では推定した伝搬路と,移動端末で信号が受信されたときの伝搬路が異なってしまい,十分に干渉が抑圧できずに特性が劣化してしまう.そこで移動端末間で受信信号を共有して移動端末側で伝搬路を推定し,干渉を抑圧する端末共同によるマルチユーザMIMO伝送が研究されている.端末間の距離が離れていることが多いため,伝搬路の相関が小さいことが期待できる複数の信号を用いることができ,信号分離能力が高まることが期待できる.しかし各移動端末が独立に動作しているため,信号共有の成否が特性に大きく影響を与える.また移動端末ごとに異なりかつ一定でない周波数オフセットや位相雑音が存在し,更には到来角の変化や他端末との相関なども考慮すべきであるが,これらを模擬することは困難である.そこで本論文では,端末共同干渉キャンセルの伝送特性改善効果を屋外伝送実験により検証する.この実験において干渉キャンセルアルゴリズムとして線形処理であるMMSE法及び非線形処理であるMLD法を用い,各移動端末は基地局の送信信号を基に周波数オフセット補償及びタイミング同期を行う.実験結果から非線形処理の誤り率特性がより良好であること,共同台数の増加に伴い誤り率特性が改善されることが確認されている.