マイクロカーネルOSにおけるTLBのソフトウェア制御法の実現と評価

鶴谷 昌弘  山内 利宏  谷口 秀夫  
(システム開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J97-D   No.1   pp.216-225
発行日: 2014/01/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: ソフトウェアシステム
キーワード: 
オペレーティングシステム,  マイクロカーネル,  MMU,  TLB,  プロセス間通信,  

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あらまし: 
メモリ管理ユニット(MMU)の機能はプロセッサにより大きく異なるため,この機能を生かせるようにOSを設計する必要がある.一方,計算機の多様な利用を支える高い適応性と堅牢性を実現できるOSが必要となっており,これを実現するOSプログラム構造としてマイクロカーネル構造がある.マイクロカーネルOSは,OS機能の大半をOSサーバとして実現するため,OSサーバ間でプログラム間通信が頻発し,モノリシックカーネルOSに比べ性能が低下する.このため,データ複写レスによる通信により,OSサーバ間での授受データの複写オーバヘッドを低減している.しかし,低機能MMUでは,データ複写レスであっても通信時に発生するTLBミスに伴う処理オーバヘッドが大きい.そこで,マイクロカーネルOSにおけるTLBのソフトウェア制御法を提案する.提案制御法は,サーバプログラム間通信で利用する領域についてはページテーブルを利用することなく,TLBエントリでページの割り当てを管理し,TLBミスを発生させないことによりサーバプログラム間通信を高速化する.SH-4を例として,提案制御法をAnTオペレーティングシステムに実現する方式を示し,性能評価の結果を報告する.