電波ばく露に対する人体のマルチフィジクス解析と応用

平田 晃正  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J97-C   No.5   pp.209-217
公開日: 2014/04/14
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 
論文種別: 招待論文
専門分野: 電磁界理論
キーワード: 
比吸収率,  温度上昇,  マルチフィジクス解析,  電波防護ガイドライン,  

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あらまし: 
メガヘルツ帯以上の周波数における電波の人体に与える支配的影響は,電力吸収に伴う温度上昇である.体内の温度上昇を非侵襲に測定することはできないため,詳細な人体モデルに対する大規模数値解析を行うことにより,電波による吸収電力,温度上昇が評価されるようになっている.一方で,体表面付近の温度解析技術は向上したものの,体内深部の温度を解析するのは容易ではない.本論文では,まず,筆者らが開発した電磁界及び熱に対するマルチフィジクス解析手法を解説するとともに,体内深部温度を時間領域で高精度に追跡できる手法を提案,暑熱ばく露による体内温度の測定値との比較から有効性を示す.また,開発した手法を用い,電波の全身ばく露に対する吸収電力及びそれに伴う体温上昇を解析し,両者の関係について検討する.更に,現在の電波防護ガイドラインで示された職業人に対する許容電力吸収に対する体内深部温度上昇は高々0.15℃であることを明らかにする.最後に,電波の局所ばく露に対し,吸収電力と体温上昇の関係付けを試みるとともに,従来の評価指標である局所10g平均比吸収率の空間最大値の適用上限周波数は6GHz程度であることを示す.