不規則分布した導体球群による後方強調散乱特性の60-GHzでの測定と計算機シミュレーションとの比較

金子 和正  井原 俊夫  小口 知宏  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J97-B   No.9   pp.808-820
発行日: 2014/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
論文種別: 論文
専門分野: 計測,探査
キーワード: 
後方強調散乱,  多重散乱,  ミリ波,  球状散乱体,  不規則分布,  

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あらまし: 
筆者等は以前,不規則分布した散乱体球群によるミリ波の後方強調散乱特性の計算機シミュレーション法を提案した.本論文では,この計算機シミュレーション法の有効性を60GHzのミリ波帯周波数で実験的に検証した結果について報告する.この実験のため,円筒状発泡スチロール体積(直径90cm,高さ90cm)の中に直径1cmの導体球を1900個,及び3800個,不規則に埋め込んだ二種類の散乱体積を作成した.この導体球群をターゲットとして,鏡像法により -2.5°から +2.5°の範囲の17の散乱角(0°は完全な後方散乱に対応)で主偏波(送受信が水平偏波)と交差偏波(送信が水平偏波,受信が垂直偏波)に対して散乱波強度を測定した.各散乱角で実効的に3780個の独立な散乱波強度の測定値を取得しその平均値を求めた.このようにして得られた散乱波強度平均値の散乱角依存性には,後方強調散乱による受信強度の明瞭なピークが散乱角 0°近傍に認められた.この実験結果と実験条件を忠実に反映した計算機シミュレーション結果を比較したところ,両者に良好な一致の傾向が見られた.この結果,本研究で検討した計算機シミュレーション法の有効性が実験的に確認された.