複数人対話における注視遷移パターンに基づく次話者と発話開始タイミングの予測

石井 亮  大塚 和弘  熊野 史朗  松田 昌史  大和 淳司  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J97-A   No.6   pp.453-468
発行日: 2014/06/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
論文種別: 特集論文 (人とエージェントのインタラクション論文特集)
専門分野: コミュニケーションの促進
キーワード: 
話者交替,  複数人対話,  視線,  予測モデル,  

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あらまし: 
複数人対話における話者交替を対象とし,(I)話者が交替(話者交替)するか,若しくはそのまま話者が継続(話者継続)するか,(II)話者交替時に非話者のうち,誰が次話者となるか,(III)いつ次の発話が開始されるか,といった三つのステップで次話者の発話状況を予測する数理モデルの構築に取り組む.複数人対話において,参加者は現話者の発話の終了のタイミングや,複数人の非話者のうち次に誰がいつ発話を開始するかといった発話交替の状況を予測して,次の発話の方略を練っている.話者交替において,現話者が次話者に注視を行い,次話者は現話者と相互注視を行うことや,次話者の発話が開始される前に非話者が事前に次話者に注視を行うなど,視線行動が重要な働きを担っていることが知られている.本研究では,予測モデルに用いるための特徴量として,参加者の注視行動の移り変わりに着目した注視遷移パターンを定義し用いる.まず,収集した複数人対話のコーパスデータを分析し,(I)話者交替,(II)次話者の状況に応じて参加者の注視遷移パターンの出現頻度が異なることを示す.また,(III)次発話の開始のタイミングと注視遷移パターンの関連性を分析し,参加者の注視対象遷移パターンに応じて次の発話がいつ開始されるかのタイミングの時間分布が異なることを示す.次に,分析結果を基に,確率モデルに基づく予測モデルを構築する.性能評価の結果,注視遷移パターンを考慮しないものに比べて,パターンを考慮することで予測性能が向上することを示す.