臨場感の向上に向けた音響信号処理技術

西村 竜一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J97-A   No.4   pp.256-263
発行日: 2014/04/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
論文種別: 招待解説論文
専門分野: 空間音響
キーワード: 
フィルタリング,  フーリエ変換,  畳込み,  フィルタバンク,  一般化ハミング窓,  

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あらまし: 
聴取者に臨場感のある音を届けるには,再生方法や再生環境に応じて,音響信号に適切な処理を施す必要がある.再生方法や再生環境には,スピーカとヘッドホンのどちらを用いて再生するのかや,スピーカ再生における部屋の音響特性やスピーカ配置,ヘッドホン再生における聴取者の空間音響知覚特性など多くの要素が含まれる.音響信号に対する信号処理は,時間領域での畳込み演算として表現されるが,計算コストの掛かる処理となる.臨場感では,例えば,視聴覚情報の同期のような他のモダリティとの整合感やインタラクティブ性も重要な要素であり,その欠如は臨場感に致命的な影響を与える.この問題を回避するため,高速フーリエ変換による畳込みの高速化手法が広く用いられる.この高速化を継続的に入力する音響信号に対して適用する手法として,Overlap-add法とOverlap-save法について紹介し,関連する話題としてフィルタバンクにおける窓関数処理についても解説する.