異常肺音検出における副雑音の発生区間と音響特徴による分類を考慮した呼吸音HMMの作成法の検討

山下 優  山内 勝也  松永 昭一  宮原 末治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J96-D    No.9    pp.2070-2077
発行日: 2013/09/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
肺音,  隠れマルコフモデル,  音響モデル,  異常検出,  

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あらまし: 
疾患者の肺音には副雑音と呼ばれる異常音が含まれることが多く,聴診によって疾患を見つけることができる.そこで,我々は,聴取した肺音から異常音を自動検出することを目指し,呼気,吸気区間をそれぞれ一つの隠れマルコフモデル(HMM)を用いて音響特徴を表現し,健常者の正常肺音と疾患者の副雑音を含む肺音の識別を行った.しかし,このモデルでは副雑音の音響特徴を十分に表現できていなかったため,識別精度が64.6%と低いという問題があった.そこで,本論文では,副雑音が呼気,吸気内の特定の区間だけで発生する傾向が高く,副雑音が発生していない区間とは音響特徴が異なることを考慮したモデルの作成法を提案する.呼気,吸気区間を副雑音が発生している区間と発生していない区間に分けてモデルを作成した結果,識別精度が79.3%と向上した.更に,副雑音が音響特徴によって複数の種類に分類されていることに着目し,副雑音を断続性副雑音と連続性副雑音の2種類に分類しモデルを作成した結果,識別精度が82.7%と向上した.この結果から,副雑音が発生している区間と発生していない区間に分け,断続性副雑音と連続性副雑音の2種類に分類しモデルを作成することが有効であることを示した.