L1正則化ロジスティック回帰によって明らかにされた下側頭葉視覚連合野における階層的視覚情報表現

内田 豪  佐藤 多加之  北園 淳  岡田 真人  谷藤 学  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J96-D   No.7   pp.1645-1653
発行日: 2013/07/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
物体認識,  L1正則化ロジスティック回帰,  下側頭葉視覚連合野,  階層的機能構造,  

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あらまし: 
視覚による物体像の知覚と認識に必須な脳の部位である下側頭葉視覚連合野(IT野)では,似た図形特徴に応じる神経細胞が集まり特徴コラム(FC)という機能構造を形成している.最近我々は,似た物体像選択性をもつFCが集まった機能構造(機能ドメイン,FD)を発見した.FDの多くは,物体のカテゴリー(顔など)への応答で特徴づけられるが,下位のカテゴリー(サルの顔など)への選好性はコラムごとに異なる.このことは,機械学習の方法を用いてある階層のカテゴリーの識別に必要なFCの集合を求めることで,FDを再定義できることを示唆している.本研究では,L1正則化ロジスティック回帰を用いて,顔とそれ以外の物体像及びサルとヒトの顔の識別に必須なFCの組合せを求めた.その結果,どちらの分類も完全にできるが,それぞれの分類に必須なFCの組合せが異なること,及び前者の分類に必須なFCの皮質上での分布がFDの分布と合うことが分かった.これらの結果は,IT野ではFCの組合せを変えることで,異なる階層に属する物体のカテゴリーが表現されていること,また,機械学習の手法でもFDを定義できることを示している.