ブルームフィルタを用いたTCPパケットロス推定手法―処理の最適配置による大規模かつ高速な計測システムの実現―

山崎 康広  下西 英之  村瀬 勉  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J96-D   No.6   pp.1470-1482
発行日: 2013/06/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (インターネット技術とその応用論文特集)
専門分野: ネットワーク制御/計測
キーワード: 
TCP,  パケットロス,  重複ACK,  ブルームフィルタ,  フロー計測技術,  

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あらまし: 
近年,ネットワークのトラヒックをフロー単位で監視するフロー計測技術が注目されている.フロー品質を計測することで,ネットワークの品質監視やユーザのQoSを把握することが可能となる.一方で大規模・高速ネットワークでは必要資源が多くなることからネットワークの品質計測自体が難しい.これまでの計測では,高速ネットワーク計測用にカスタマイズされた特別なハードウェアを用いてパケットを観測する手法や,パケットサンプリング技術を用いて統計的に値を推定する手法などがある.本論文ではトラヒックの大部分を占めるTCPに着目し,高速ネットワークでもTCPフロー品質,特にパケットロス,を効率的に計測する手法を提案する.提案手法ではブルームフィルタを備えた特別なハードウェアで重複ACKと相関のある値をカウントする.その結果に対して統計処理を行い発生した重複ACK現象の数を推定する.ここで重複ACK現象の数がパケットロス数となる.特別なハードウェアによる特定事象のカウントと統計的な手法を組み合わせることで,高速ネットワークにおけるフロー品質を従来よりも少ない資源で計測できる.本論文では提案手法を実システムで評価し,少量のメモリ資源・低いCPU負荷でTCPパケットロスを推定できることを示す.