ストリーム暗号CryptMTのデータ並列処理による高速化手法及びSIMD型組込みプロセッサによる実装と評価

本多 隼也  望月 陽平  熊木 武志  藤野 毅  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J96-D   No.3   pp.495-505
発行日: 2013/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: 計算機システム
キーワード: 
組込みプロセッサ,  並列処理,  ストリーム暗号,  実装,  CryptMT,  データ並列,  SIMD,  

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あらまし: 
近年の情報化社会において携帯機器におけるデータの暗号化は必須となっており,処理するデータ量も日々増加している.したがって,組込み機器向けプロセッサにおける高速な暗号処理が必要とされてきている.そこで我々は,これまで研究を行ってきた,SIMD型組込みプロセッサMX-1によるMersenne Twister MT19937の並列処理実装手法を応用し,長周期,高次均等分布性を実現した新しい構造をもつストリーム暗号CryptMTによる暗号処理の高速化に着目した.CryptMTはデータ依存により逐次処理となる箇所があるため,データ依存が発生しないようアルゴリズムを最適化することで,全ての処理をデータ並列化させることに成功した.MX-1に実装した結果,最適化前のアルゴリズムと比較して約3.8倍の高速化を実現した.また,この結果を他の組込み向けプロセッサと比較した結果,ARM Cortex-A8プロセッサの約1.6倍,SuperH SH-2Aプロセッサの約23倍にスループットが向上したことを確認した.更に,MX-1による提案手法の実装は,FPGA実装を行っている先行研究と比較して,同程度から約1/4の消費電力で組込み機器に必要とされるスループット値を達成し,MX-1によるCryptMTの並列実装が組込み機器に対して有効であることを確認した.