拡散方程式に基づく自律分散的ふくそう制御技術の実証実験

住 達郎  高野 知佐  会田 雅樹  石田 賢治  
(システム開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J95-D   No.12   pp.2048-2058
発行日: 2012/12/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 情報ネットワーク
キーワード: 
自律分散制御,  拡散方程式,  トラヒック制御,  ふくそう制御,  実証実験,  

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あらまし: 
近年,動画配信やソーシャルネットワーキングサービスなど多様なアプリケーションが次々と出現し,スマートフォンなどの新たなモバイル端末の利用拡大が進んでいる.このためネットワークのトラヒックが爆発的に増加しているだけでなく,ネットワークの状態とユーザの振舞いが相互作用を起こし,ネットワークが予期できない状態に陥ることが報告されている.このような状況下のもと,持続的に安定したサービスを提供可能とするために,外部環境変化に柔軟に対応し超高速で動作するネットワークの構築が求められている.ネットワークは一般に高速化するほど,制御に必要な情報をリアルタイムに収集することが難しく,集中型の制御では対応しきれない状況が出てくる.我々はこれまで,超高速なネットワークに対して,偏微分方程式の解とその偏微分方程式自身が記述する局所相互作用の関係を利用した自律分散制御の枠組みを考え,フロー制御への応用として拡散現象を基礎とした拡散型フロー制御を提案し,その実現可能性を確認・検証してきた.本論文は,これまでシミュレーションにより効果を確認してきた拡散型フロー制御方式を実際のPCルータに実装し,実機による試験を通して本方式の有効性の確認を行う.その結果,シミュレーション結果と同様に,ノードに存在するパケット密度がネットワーク全体に平滑化し,拡散係数が大きくなるにつれて,平滑化する速度が速くなることが分かった.