消滅と遅延を伴うボタン押し課題による認知症高齢者の視覚運動機能の評価―CDRとの比較―

中園 正吾  小堀 聡  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J94-D   No.8   pp.1450-1460
発行日: 2011/08/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 福祉工学
キーワード: 
ボタン押し課題,  視覚運動協応,  認知機能,  認知症,  

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あらまし: 
ボタン押し課題とは,ディスプレイ上を移動するターゲットが指定枠に入ったらボタンを押すというものである.被験者は,消滅課題,遅延課題及び通常課題を実行する.これらの課題において,被験者はターゲットの動きを予測し,自分の反応時間を考慮してボタンを押すことになる.本研究では,介護老人保健施設の123名の要介護高齢者に対して実験を行い,誤差データを測定,解析するとともに,約2年間の変化を観察し,検討を行った.また,20名の若年者データと高齢者データを比較した.その結果,ボタン押し課題は認知症高齢者に対する検査として使用できること,消滅課題と遅延課題はそれぞれ異なる認知機能の側面を評価できること,各課題の実施の可否や誤差値により視覚運動協応の機能が評価できること,ボタン押し課題を長期的に実施することで重症度との関係を観察することができること,が明らかになった.それらのことから,本研究でのボタン押し課題は,視覚運動協応の機能を評価するという点において,従来の認知症の評価方法を補うことができるものであるといえる.