香り提示による視線誘導効果と動物体追跡効果の検討

伴野 明  神田 こより  伴野 啓介  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J94-D    No.5    pp.803-813
発行日: 2011/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (サイバーワールド論文特集)
専門分野: ヒューマンコンピュータインタラクション
キーワード: 
映像,  香り,  注視時間,  随従運動,  跳躍運動,  

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あらまし: 
映像とともに適した香りを提示できれば,表現の幅が広がり,臨場感が高まることが知られている.このため,香り付き映像は,ディジタルサイネージなど広告分野にも期待されている.映像広告では,対象物に視線を誘導し,当該対象を長時間見てもらうことが重要である.本文では,対象物の提示方法と誘目性の関係を基礎的な実験によって把握した上で,香りの提示によって,対象物の大きさに関する誘目性がどのように補完されるか,つまり,視線は香りのある対象にどの程度誘導され,注視時間に変化をもたらすのかを測定する.視線誘導の分析には,視線検出装置と主観評価を用いた.香りがない場合は,対象物の大きさの誘目性が作用し注視時間に影響を与えるが,香りを提示すると,大きさが小さくても香りを発生する物体に視線が誘導され,長時間注視する傾向があることを示す.次に,動物体追跡時における香りの効果を調べるために,動物体を注視する際の跳躍運動回数を計測した.この実験から,香りを付けたときに跳躍運動は減少し,随従運動が増加すること,及び,追跡中の物体が認知しやすくなることなどを示す.これらの知見は,ディジタルサイネージへ通行人を引き寄せるコンテンツ制作に応用できる.