パルス状信号に混入する交流雑音の適応フィルタによる除去法とそのフラッシュ光網膜電位図への適用

戸田 尚宏  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J94-D   No.10   pp.1685-1695
発行日: 2011/10/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
交流雑音,  適応フィルタ,  RLSアルゴリズム,  マスク処理,  網膜電位図(ERG),  

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あらまし: 
一過性のパルス状信号に混入する交流雑音を適応フィルタによって除去する方法について,問題点を指摘した上で一つの解決法を与えた.適応アルゴリズムとしてRLSと等価な逐次最小二乗法に関して,パルス状信号が適応フィルタに入力された場合,その信号自体の存在を打ち消そうとする振動成分が存在することをまず近似を用いた理論的な考察により明らかにした.この成分はアルゴリズムの適応時間を長くとると小さくなるが,パルス状信号に対して位相が固定されるため,同期加算平均の回数が多くなった場合,適応フィルタを用いない場合よりも誤差(雑音量)が大きくなってしまう危険性がある.本論文では,これを自己除去成分と呼ぶこととし,更に交流雑音の特性が急激には変化しないという前提のもと,パルス状信号の持続する間は適応フィルタ係数の更新を行わないマスク処理を提案し,これにより自己除去成分の発生を抑えられることを数値シミュレーションにより確認した.また,提案したマスク処理を導入した適応フィルタを実際のフラッシュ光照射時の網膜電位図(ERG:Electroretinogram)に適用し,その有効性を確認した.