人体腕部に装着することを想定したスルーホール型八木・宇田アンテナの配列化

辻尾 良太  池井 慎弥  前田 忠彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J94-B   No.9   pp.1122-1132
発行日: 2011/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (高度で多様化する無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術論文特集)
専門分野: アンテナ
キーワード: 
八木・宇田アンテナ,  スルーホール,  トリプレート線路,  ファントム,  アレー,  

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あらまし: 
近年,WPAN (Wireless Personal Area Network)における近距離大容量通信を実現するため,ミリ波帯の利用が想定されている.一方で,携帯端末は小型化の傾向にあり,ワイヤレスウェアラブルデバイスとして人体に直接装着して使用されることが想定されるため,人体近傍でのアンテナ特性の改善が必要となる.また,ミリ波帯では,伝搬損が大きいため指向性アンテナを用いて主ビームを振り向けることや装着時の利便性を考慮すると人体腕部に装着し,人体に沿った方向に通信を行うことが考えられ,このときの電界成分は人体表面に対して垂直であることが望ましい.このような背景から誘電体基板内に垂直に形成されたスルーホール型八木・宇田アンテナの報告がされているが,方位分解能や利得改善の余地が残されている.本論文では,ミリ波帯利用の基礎的検討として,12.5 GHzの単一周波数で動作する人体装着型アンテナを検討し,特に人体腕部に装着することを想定したスルーホール型八木・宇田アンテナのアレー化による利得改善手法の提案を行う.アレー化を行った場合,電力分配器が必要となるため,トリプレート線路を用いて厚さの増加を伴わずに基板内部に構成した.提案構造を適用することで利得が最大放射方向に約2.5 dB,水平方向に1.9 dB改善された.最後に,ウェアラブルデバイスに搭載することを想定し,人体腕部に装着した提案アンテナの電気特性を人体等価ファントムを用い実験的に評価し,その電気特性を明らかにした.