衛星航法による精密進入着陸システムの開発と安全性の保証

福島 荘之介  工藤 正博  齊藤 真二  吉原 貴之  齋藤 享  藤田 征吾  藤井 直樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J94-B   No.7   pp.802-811
発行日: 2011/07/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 招待論文 (システム開発・ソフトウェア開発論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
衛星航法,  進入着陸システム,  GBAS,  補強システム,  

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あらまし: 
民間航空機の精密進入着陸システムは,国際民間航空機関により航法精度とともに高い安全性が要求される.衛星航法を用いたシステムとして,現在の計器着陸システム(ILS)に代わる地上型衛星航法補強システム(GBAS)が研究されてきた.本研究では,初期に航法精度のみを満たすことが実証されたが,安全性要求を満たすシステムの開発は課題であった.このため,筆者らはGBASプロトタイプの開発を通して安全性を保証する設計を検討し,安全性要求を満たす装置を実現した.GBASは従来型の無線航法システムと異なり,装置内部の障害に加え,GPSの障害による送信信号の異常,電離圏じょう乱による伝搬異常など外部要因が主な脅威となる.本開発では主に六つの外部要因を対象として,異常検知モニタによりリスクを低減し,プロトタイプ開発を通してシステム全体の安全性要求を保証するプロセスを実施した.特に,これまで国内を含む低磁気緯度地域に特有の課題であった電離圏じょう乱現象を考慮したリスク低減手法を導入している.本論文では,安全性要求と安全性設計プロセスの概要と新たに開発した信号ひずみモニタ,電離圏空間異常こう配の緩和アルゴリズムの要点を述べる.