静電気放電の発生電磁界とFDTDシミュレーション

藤原 修  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J94-B   No.11   pp.1452-1460
発行日: 2011/11/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 解説論文
専門分野: 
キーワード: 
ESD,  火花法則,  ESD界,  特異特性,  FDTDシミュレーション,  

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あらまし: 
静電気放電(ESD:Electrostatic discharge)は,EMC (Electromagnetic compatibility)の概念が50数年前に米国で確立される以前から電磁雑音源として既に認識されながら,今日なおEMCの解決すべき重要課題の一つに挙げられる.その根源は,ESDの発生電磁界とその特性がいまだもって十分に理解されていないことに起因する.本論文では,本会通信ソサイエティの環境電磁工学研究専門委員会(EMCJ)が開催する環境電磁工学研究会で発表された技術報告を調査し,1977年発足から2011年5月までの累積総数は3780件に上るものの,ESDを対象とした発表件数はわずか139件(3.7%)であること,30余年の歳月を経ても同報告が終焉することはないこと,などから,ESD課題の取り組みに対するブレークスルーの必要性を指摘した.この観点から,課題解決のためのブレークスルーを開くきっかけとして,筆者らのこれまでの研究成果のうち,双極子の放電モデルから導出したESD界の表式と火花法則を適用して明らかとなった界の性質と特異特性を示した.次にESD界の時間領域有限差分法(FDTD法)を用いた火花法則に基づく数値解析法を解説し,金属体ESDを対象としたFDTDシミュレーションから,形状サイズが界レベルに及ぼす影響を示した.