三次元運動計測システムによる指鼻試験の定量化―楕円フーリエ記述子による速度-距離特性パターンの解析―

掛谷 拓史  緒方 公一  中西 亮二  
(システム開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J93-D   No.10   pp.1969-1976
発行日: 2010/10/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (システム開発論文特集)
専門分野: 医用システム
キーワード: 
上肢,  指鼻試験,  脊髄小脳変性症,  定量化,  フーリエ記述子,  

本文: PDF(687KB)>>
論文を購入




あらまし: 
本論文は,上肢運動機能障害の診断基準として用いられている指鼻試験の定量化について取り扱ったものである.臨床医学,特に神経内科やリハビリテーション医学といった運動機能障害を対象とする分野では,症状の定量的評価が望まれており,筆者らは定量化システムの開発を進めている.本論文では,指鼻試験における示指の動きのデータから得られる速度-距離特性パターンが円形のパターンとなることに着目し,楕円フーリエ記述子を適用することで定量化を試みた.20次までの楕円フーリエ記述子の係数を用いることによりパターンが良好に近似できること,記述子の値に基づいて定義した評価値について健常者群とSCD患者群とで比較を行った結果,有意な差(p<0.001)が確認され,判別分析にも有効であることが示された.また,導入した評価値とSCD患者の重症度評価との順位相関を求めた結果,約0.8の値を示し強い相関が確認された.このように,楕円フーリエ記述子を用いた定量化と解析の有効性が示された.