二次元通信における多点入力の位相制御による効率的な電力伝送システム

張 兵  太田 敏史  門 洋一  板井 裕人  手塚 謙一  浅村 直也  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J93-B   No.7   pp.937-946
発行日: 2010/07/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (システム開発・ソフトウェア開発論文特集)
専門分野: 地上無線通信
キーワード: 
二次元通信,  非接触給電,  ワイヤレス電力伝送,  ユビキタス通信,  

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あらまし: 
二次元通信は面で構成された通信媒体を用いるもので,媒体面のどこに端末を近接させても通信が可能で,同時に媒体から端末への電力供給も可能な技術である.これまで開発された二次元通信システムでは,媒体となる二次元通信シート全体に電磁波が伝搬し,近接カプラを媒体面に近づけることにより,通信と電力供給を行っていた.しかし,二次元通信による電力伝送を高効率に行うためには,電磁波を二次元通信シート内にまんべんなく伝搬させるより,端末が置かれる場所だけに集中させることが望ましい.また,数ワットの電力供給を目指す場合,電磁波の漏えい対策がより重要となる.そこで,我々は電力入力点を一点から多点にし,それぞれの入力点の位相調整を行うことにより電力を局所的に集束させる.それにより,入力電力量が分散され,漏えい電力のピーク値を同時に抑制することができる.本論文では,多点入力の位相制御による高効率な非接触電力伝送システムを開発し,二次元通信シートに6 Wの電力を入力したところ,受電モジュールでは1 W程度の電力が得られることが分かった.特に,受電モジュールは軽量(2 g)かつ小型( W 70 × D 25 × H 3 mm)で実現できたため,モジュールの個数を増やして,整流回路の効率を上げるなどの改善により,10 W以上の電力供給も可能であることが示唆された.更に,本開発システムにおいて理論解析並びに実測評価を行い,多点入力の位相調整を行うことにより特定の箇所に電力が集束されていることが確認できた.