広帯域無線通信システムにおける中継ノードを利用した部分スペクトル再送方式

畑本 浩伸
衣斐 信介
三瓶 政一

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J93-B    No.1    pp.53-68
発行日: 2010/01/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 無線通信技術
キーワード: 
再送,  中継伝送,  部分スペクトル,  ダイナミックスペクトル制御,  

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あらまし: 
本論文では,広帯域無線通信システムにおいて,呼の生起ノード(S-node)とあて先ノード(D-node)の距離が離れても,ノード当りの送信電力を上げずに高いスループット特性を維持する手段として,中継ノード(R-node)を利用した部分スペクトル再送方式を提案している.従来のマルチホップ伝送ではS-node及びR-nodeから放射されるエネルギーが効率的に利用されていない点に着目し,提案方式では,受信信号におけるひずみの原因となる一部のスペクトルのみを再送するものとし,2ホップのマルチホップ伝送におけるR-nodeを単なる再生中継器ではなく,部分スペクトル再送技術における再送を担わせる.このとき,効率的な再送とともに,S-nodeから直接受信されるエネルギーとR-nodeからのエネルギーをD-nodeにおいて効率的に合成させることで,スループット特性の大幅な向上を図っている.なお,再送時に必要最小限の無線リソースでフレーム誤り率を一定値以下とするため,再送すべきスペクトルの判定基準として,再送の際の等化器出力相互情報量をメトリックとして用いるとともに,初回送信時のスペクトルと再送する部分スペクトルの合成時にダイバーシチ効果が得られるよう,再送する際のスペクトルの形状に対しては,くし型スペクトルマッピングを適用している.計算機シミュレーションにより,提案方式は,従来のシングルホップ伝送並びにホップ数が2のマルチホップ伝送と比較して大幅にスループット特性が改善されることを確認した.