衛星測位補正システムにおける基準点を用いた対流圏遅延補正方式

武市 昇  坂井 丈泰  福島 荘之介  伊藤 憲  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J92-B   No.2   pp.475-484
発行日: 2009/02/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
衛星測位,  測位補正,  対流圏遅延補正,  準天頂衛星,  

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あらまし: 
本論文では,移動体の衛星測位補正のための基準点を用いた対流圏遅延補正方式について,その特徴及び利点を明らかにするとともに,衛星型GNSS補強システムにおける実現性を明らかにする.基準点とユーザ位置における天頂対流圏遅延量のモデル関数の差を,その基準点における天頂対流圏遅延量に加えることにより任意のユーザ位置における天頂対流圏遅延量を推定できるが,それら2地点間の距離の増加に伴う気象条件の差異に起因する誤差の増加は避けられない.そこで,補正対象地域内の任意の地点における天頂対流圏遅延量の振舞いが基準点のいずれかとほぼ同等となるよう基準点を密に配置することにより,推定誤差の増加を抑制できると考えられる.日本全国に設置されている電子基準点の観測データを用いた解析結果を利用した検証の結果,推定誤差が2地点間距離の増加に伴い増加する仕組みを解明するとともに,近傍の基準点での補正情報を用いることにより従来の対流圏遅延補正方式を上回る推定精度を達成できることを明らかにした.更に,衛星型GNSS補強システムにおける本方式の実現性を検討するため,準天頂衛星システムを利用した高精度測位補正におけるL1-SAIFメッセージを具体例とし,補正情報の生成方式及び補正メッセージを詳細に検討した.その結果,衛星型GNSS補強システムにおいても高精度な測位補正情報を短時間に取得できることを明らかにした.