時変ガウス音源モデルと多チャネル自己回帰観測モデルに基づく最ゆう法による音響信号の残響除去

中谷 智広  吉岡 拓也  木下 慶介  三好 正人  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J92-A   No.5   pp.294-304
発行日: 2009/05/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 招待論文 (ブラインド信号処理の技術とその応用論文小特集)
専門分野: 
キーワード: 
残響除去,  最ゆう推定,  時変ガウス過程,  多チャネル自己回帰過程,  統計的信号 処理,  

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あらまし: 
残響を伴って収音された音響信号に対する残響除去法の一つとして,音源信号の時変性に基づく方法を紹介し,その性質を数理的に分析する.このアプローチでは,音源信号を時変ガウス過程でモデル化するとともに室内伝達特性を多チャネル自己回帰過程でモデル化し,それらに基づき定まるゆう度関数を最大にするモデルパラメータを求めることで残響除去を実現する.本アプローチにより,比較的短い観測信号だけからでも良好な残響除去結果が得られることが,実験により確認されている.本論文では,特に,ゆう度関数を最大化する解の振舞いについて分析する.まず,解のあいまい性が適切に排除されている条件のもとで,ゆう度関数の期待値を最大化する解は厳密に正しい解に一致することを示す.また,観測信号の実現値に基づきゆう度関数を最大化する解は,観測信号が長くなるにつれて正しい解に近づくと予想されることを示す.更に,比較的短い観測信号に対しても,観測信号のレベルの時変性を考慮して最適化を行うことで,推定誤差の影響を緩和できることを考察する.