誘電体積層基板の一軸異方性を考慮したマイクロ波平面フィルタ設計に関する検討

相羽 英  小林 禧夫  馬 哲旺  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J91-C   No.12   pp.728-735
公開日: 2008/12/01
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 
Print ISSN: 1345-2827
論文種別: 特集論文 (マイクロ波論文(大学発)特集)
専門分野: 受動回路
キーワード: 
一軸異方性誘電率,  マイクロ波フィルタ,  マイクロストリップ線路,  コプレーナ線路,  

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あらまし: 
マイクロ波平面回路に用いられる銅張り誘電体積層基板は,構造上一軸異方性をもち,複素誘電率が平面方向(比誘電率 εrt,誘電正接 tan δt)と垂直方向(比誘電率 εrn,誘電正接 tan δn)で異なり,かつ,銅はくの比導電率も表面と界面で値が異なることが知られている.本論文では,この一軸異方性を考慮した平面回路の高精度設計を2.5次元電磁界シミュレータにより行うのに有効な等価誘電率法を提案する.このため,マイクロストリップ線路(MSL)及びコプレーナ線路(CPW)について,εrt,及び εrn を考慮して実効比誘電率 εeff をまず計算し,次に εeff から等価比誘電率 εa を計算し,比較により比誘電率の公称値の適用限界を検討する.更に,2~20の範囲内にある εrt,及び εrn に適用可能なMSL設計用チャートを提供する.一方,CPWの設計には,等価比誘電率と等価基板厚さを用いる方法を提案する.実際に,AR1000基板を用いて既に設計されているMSLとCPW構造のバンドパス(帯域)フィルタ(BPF)について,本法により周波数応答を計算する.この結果は測定結果とよく一致し,本法の有効性が実証された.最後に,BPFの挿入損は,3次元電磁界シミュレータHFSSにより導体損,誘電体損,放射損に分離して評価可能であることを示す.