人体手部が液晶ディスプレイの外枠に設置したアンテナの放射特性に与える影響

加藤 勝也  馬場 聡史  前田 忠彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J91-B   No.9   pp.1047-1056
発行日: 2008/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (高速無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術論文特集)
専門分野: 電磁環境
キーワード: 
液晶ディスプレイ,  並列給電,  タブレットコンピュータ,  スロットアンテナ,  人体,  

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あらまし: 
人体の近傍で利用される通信端末は人体の影響によるアンテナ特性の変化や放射電力の吸収などが問題となることが報告されているが,配列された複数の放射素子から構成されるアンテナの一部に人体が近接した環境下での影響についてはこれまであまり検討されてこなかった.そこで本論文では,タブレットコンピュータへの適用を想定し,金属板のエッジ部分に設置された複数のアンテナに人体手部が近接した場合の影響を並列給電モデルと放射素子選択モデルの二つのモデルについてFDTD法を用いて検討を行った.その結果,放射素子選択モデルが理想的に動作する条件のもとでは,放射素子選択モデルの放射効率の最低値として約68%を確保できることが分かった.これに対して,切換制御の必要がない並列給電モデルにおいても約62%の最低放射効率を維持できることを示した.指向性については人体手部の影響により両モデルとも最大放射方向への放射が約3~5 dB低下することを示した.また,放射素子選択モデルではアンテナの切換方によってはグレーティングローブが生じて指向性が乱れるのに対し,並列給電モデルは指向性の乱れが少ないことを確認し,簡易な構成で実現できる並列給電モデルの有効性と適用範囲について述べた.最後に並列給電モデルの放射効率及び指向性の実験結果と計算結果の比較を行い,計算結果の妥当性を示した.