アンテナに対する人体手部の影響を低減する電力分配方式の提案

中村 渉  加藤 勝也  前田 忠彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J91-B   No.9   pp.1037-1046
発行日: 2008/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (高速無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術論文特集)
専門分野: 電磁環境
キーワード: 
左手系媒質,  SRR(CSRR),  ファントム,  帯域通過フィルタ,  

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あらまし: 
携帯電話等の無線端末は小型化,薄型化が進んでおり,今後筐体内部にアンテナを設置するために十分な空間を確保することが困難になると予想される.この問題を解決する一つの方法として,金属筐体の一部分をアンテナ素子として使用することが考えられる.この種のアンテナ構造においては,端末使用時に人体が筐体を保持するために,アンテナ素子極近傍に人体手部が近接しアンテナ特性に影響を及ぼすことが考えられる.人体近傍で使用されるアンテナシステムにおいては,人体が近接した状態においてもアンテナ性能ができるだけ損なわれないことが望ましく,人体手部の影響を低減するメカニズムを具備することは有用である.そこで本論文では,CSRR構造を使用した帯域通過フィルタをアンテナ給電線路に装荷した電力分配器において,人体がCSRRに及ぼす影響を積極的に利用することで,能動素子等を用いずに人体手部の移動に対して使用するアンテナ素子を動的に切り換える電力分配方式を提案する.提案するアンテナ構造をFDTD法により計算した結果,人体近接時に52%であった放射効率を提案方式を用いることにより78%まで改善できることを確認したので報告する.