ユーザ視点に基づいたブロードバンドインターネット環境における遅延・パケットロスの傾向分析

吉田 薫  藤井 資子  菊池 豊  山本 正晃  永見 健一  中川 郁夫  江崎 浩  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J91-B   No.10   pp.1182-1192
発行日: 2008/10/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (ネクストジェネレーションに向けたインターネットアーキテクチャ論文特集)
専門分野: ネットワークの制御と品質
キーワード: 
インターネット計測,  通信品質,  エンドユーザ,  遅延,  パケットロス,  スループット,  

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あらまし: 
この10年間に,一般家庭には安価で高速なインターネット環境が広く提供されるようになってきている.一般家庭のユーザはこうしたインターネット環境を常時利用可能であるが,その通信環境は必ずしも一定していないのが現状である.これはインターネットが常に多くのユーザに利用されており,あるユーザの利用可能帯域やコアネットワークにおけるルータ負荷などが時間とともに変化しているからであり,こうしたネットワーク状態の変化が,通信における遅延の揺らぎやパケットロスを引き起こしていると考えられる.本論文では,国内各地14拠点に設置した計測ノードにおいてそれぞれ五つのISPに接続し,それらに対してフルメッシュで遅延,パケットロス,スループットの計測を行った.これにより,ISPに接続しているユーザのエンド間通信においてネットワークのどの区間に遅延の揺らぎを発生させる要因が存在しているか,またその揺らぎがパケットロス,スループットにどのような影響を及ぼすかの分析を行った.観測された遅延の揺らぎの傾向によりパケットロスやスループットに与える影響は異なっており,遅延の揺らぎが大きい場合にはパケットロスを生じやすいという結果が得られた.