CDMAマルチユーザ検出における量子化の影響

中村 一尊  田中 利幸  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J91-A   No.5   pp.550-558
発行日: 2008/05/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: スペクトル拡散技術
キーワード: 
CDMAマルチユーザ検出,  量子化,  ベイズ推定,  大システム極限,  レプリカ法,  

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あらまし: 
量子化された受信信号をもとに符号分割多元接続(CDMA)マルチユーザ検出を行った場合のユーザ検出能力を評価した結果を報告する.ランダム拡散,完全同期,完全電力制御の仮定のもとで,二位相偏移変調を用いた直接拡散CDMAにおいて,ベイズ推定に基づくマルチユーザ検出器の大システム極限(ユーザ数と拡散比との比を一定に保ちつつ両者をそれぞれ無限大とする極限)での性能を統計力学で開発されたレプリカ法を用いて解析した.量子化に関する完全な情報と通信路の特性とを既知とし,正しい確率モデルを用いてベイズ推定を行う検出器では,通信路ノイズがない場合,ある条件下では,完全検出(ユーザ情報シンボルを誤りなしで検出)を行え,量子化の影響によるユーザ検出能力の低下は生じないことが示された.一方,量子化ノイズを加法的ガウスノイズとみなす確率モデルを用いてベイズ推定を行う検出器では,通信路ノイズの有無によらず,量子化の影響によってユーザ検出能力は低下してしまうことが示された.通信路ノイズがあると,量子化の影響で両者のユーザ検出能力はともに低下するが,後者のユーザ検出能力は前者に比べ大きく低下する場合があることが示された.