暗算タスクによる漫然運転の誘発と生体信号を用いた評価の試み

阿部 喜  宮武 秀樹  小栗 宏次  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J91-A   No.1   pp.87-94
発行日: 2008/01/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 特集論文 (ITS技術論文小特集)
専門分野: ヒューマンセンシング
キーワード: 
脳波,  反応時間,  漫然運転,  運転行動,  

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あらまし: 
交通事故発生時に乗員を守るパッシブセーフティ技術の発達により国内における交通事故死亡者数は減少傾向にあるものの,死亡事故は歩行中の発生が最多となり,更なる死亡事故低減のためには事故そのものを減らす必要が出てきている.この課題に対する解決手段として,生体信号等からドライバ状態を推定し,ドライバ状態によって変化するドライバの運転行動特性に応じた運転補助を行う研究が行われている.しかしながら,従来は副次タスクが生体信号に与える影響の調査や,副次タスクがドライバの運転特性に与える影響の調査等,それぞれを別々に調査する研究であった.本研究では,ドライブシミュレータを用いた実験環境において暗算タスクを与えた場合,暗算タスクがドライバの運転行動と生体信号に与える影響について調査した.その結果,生体信号上はタスクによる負荷が確認されても,ブレーキ時の反応時間が遅れる漫然運転になる場合と,反応時間が早まり運転に好適な影響が現れる場合が確認された.これらの結果より,生体信号からドライバ状態等を推定して運転補助を行う場合には,個人特性の考慮や運転行動情報の併用が必要であることが判明した.