適応的な分布数の増減法を利用した混合ガウス分布による高速な動的背景モデル構築

島田 敬士  有田 大作  谷口 倫一郎  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J90-D   No.9   pp.2606-2614
発行日: 2007/09/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 画像認識,コンピュータビジョン
キーワード: 
背景差分法,  物体抽出,  動的背景モデル,  混合ガウス分布,  

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あらまし: 
本論文では,背景差分のための混合ガウス分布を用いた背景モデル構築法について述べる.背景差分法は,事前に用意した背景画像と観測画像との差分を計算することにより,物体に関する事前知識を必要とせずに物体領域を簡単に抽出することができるという利点がある.しかし,屋外などを観察する場合には,木々や水面の揺らぎなどの微小な変化や,天候による照明条件の変化による影響をじかに受けるために,単純な背景画像を用意しただけでは,対象物体以外に様々なノイズが前景として抽出されてしまう.このような問題に対応するために,混合ガウス分布を用いた背景モデル構築法が提案されているが,従来手法ではガウス分布の数を固定しているため,背景の変化が頻繁に起こる場合には,分布が不足し,逆に背景にほとんど変化が見られないときには,無駄な分布が存在していた.分布数が不足すると,画素値が急激に変化する際に,徐々に分布のパラメータを更新したのでは,背景モデルを再構築するまでに時間がかかってしまい,柔軟に対処できていなかった.また,分布数が多すぎると,複数の分布が同様の画素値群を近似してしまうので,各分布がもつ背景モデルとしての重みが小さくなってしまい,背景モデルの構築に失敗してしまう.我々が提案する手法では,背景の変化に応じて,画素単位でガウス分布の数を増減させることで,柔軟かつ高速にモデルの更新を行うことが可能である.実験では,ガウス分布の数を固定したときよりも精度良く背景モデルの更新並びに対象物体の抽出ができていることが確認できた.