ディジタル制御方式DC-DCコンバータにおける制御切り換わり時の過渡応答改善について

佐々木 正博  松尾 博文  黒川 不二雄  三村 泰弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J90-B   No.8   pp.734-740
発行日: 2007/08/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 電子通信エネルギー
キーワード: 
DC-DCコンバータ,  ディジタル制御,  ディジタル制御IC,  VCO,  過渡応答,  

本文: PDF(934.2KB)>>
論文を購入




あらまし: 
本論文では,出力の定電圧,定電流及び定電力を対象として,複数の制御系を搭載したディジタル制御方式 DC-DC コンバータにおいて,負荷変動によりこれら制御の切り換わりが生じた場合の問題点と解決方法を明らかにする.複数の制御系を構成した場合,一つの制御系で安定化の範囲を広くするために積分制御回路部のビット数 Q を大きくすると,他の制御系で安定化されているときに前出の積分制御回路部でビット数 Q を上限とした飽和現象が生じる.このとき,負荷変動による制御の切り換わりが起きると,飽和状態から安定化するまでの時間に過大な電流,電圧を伴う出力変動が現れる.これを防ぐには,飽和状態から即座に安定点まで遷移することが必要になる.解決方法として,積分回路の演算に互いに干渉しないように,一定の間隔 NB をもって制限を設ける回路を提案し,その特性を示す.その結果,電流制御から電圧制御への切り換わり時において,定格54.6 Vに対し59 Vから55 Vに,電圧精度範囲内に収束する時間も計測不能の状態から0.2 msに改善できた.また,電力制御から電圧制御への切り換わりにおいては,電圧変動57.5 Vから56 Vに,電圧精度範囲内に収束する時間も2.5 msから0.7 msに短縮できた.