車両の安全のためのコンテンション型MACを用いた車車間通信・路車間通信の性能評価

藤村 嘉一  長谷川 孝明  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J90-A    No.6    pp.535-550
発行日: 2007/06/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 高度交通システム(ITS)
キーワード: 
ITS,  車車間通信,  路車間通信,  コンテンション型MAC,  シャドーイング,  

本文: PDF(2.8MB)>>
論文を購入



あらまし: 
本論文では,無線LANに用いられており世界的に普及しているコンテンション型MACを用いた,車車間通信と路車間通信に関する性能評価がなされている.性能評価のために,筆者らが構築している従来の自律走行型交通流シミュレータが,コンテンション型MACの機能を提供するために改良されている.新たに改良されたシミュレータには,コンテンション型MACとして,pure-ALOHA方式,slotted-ALOHA方式,non-persistent CSMA方式が導入されている.このシミュレータでは,時間的な電波伝搬遅延が考慮されている.また,渋滞流発生に関するモデルと空間的な大型車両によるシャドーイングモデルの導入によって,より現実的な交通流状況下での検討が実現されている.評価では,ITSの中でも車両の安全性に関するいくつかのアプリケーションに対応する3種の評価指標を用いて所要周波数帯域幅が求められている.評価結果より,路車間通信は車車間通信と比較して大きな帯域を必要とするが,シャドーイングの影響を受けにくいことが示されている.MACに関する評価では,non-persistent CSMA方式のようなキャリヤセンスを用いるMACは,シャドーイングに対して脆弱であることが示されている.一方,slotted-ALOHA方式のような同期を用いるコンテンション型MACは,シャドーイング条件下においてCSMA方式よりも優れていることが示されている.