学習課題の関連構造を評価するための差異度

米澤 宣義  新藤 康正  平井 和人  竹谷 誠  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J89-D   No.5   pp.967-978
発行日: 2006/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 教育工学
キーワード: 
差異度,  類似度,  認知構造,  学習課題,  教材構造,  

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あらまし: 
学習者が形成する学習課題の関連構造(理解構造という)と教材構造の差異を定量的に表す類似度の研究がある.この類似度により理解構造の正しさの程度を把握し,更に類似度が大きく増加するように理解構造の修正を誘導することによって理解構造を教材構造に接近させる教授法が可能となる.一方,有向グラフ間の差異を定量化するグラフ的距離に関する研究がある.グラフ的距離は類似度とほぼ同様の特性があるので類似度を用いた教授法に適用できる.本論文は,この類似度とグラフ的距離が修正に対する不整合性をもつことを示し,更にその不整合性のために類似度とグラフ的距離は学習者が理解構造を修正して教材構造に接近させる際の指針に適さないことを示す.そして理解構造の修正の指針となる構造的整合性のある差異度を提案する.更に,学習者が理解構造を修正する際の正しさの判断として三つのカテゴリー,良い修正,悪い修正,判定困難な修正を導入した.本差異度は,教材構造における各2頂点vivjの位置の差と,頂点viの教材構造における位置と頂点vjの理解構造における位置の差がどの程度異なるかで定義する点に特色がある.