協調フィルタリングに基づく工数見積り手法のデータの欠損に対するロバスト性の評価

柿元 健  角田 雅照  大杉 直樹  門田 暁人  松本 健一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J89-D   No.12   pp.2602-2611
発行日: 2006/12/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: ソフトウェア工学
キーワード: 
特性値,  MDT,  欠損メカニズム,  欠損率,  ステップワイズ重回帰分析,  

本文: PDF(406.6KB)>>
論文を購入




あらまし: 
本論文では,協調フィルタリングに基づいた工数見積り手法(CF-based見積り手法)が,データの欠損に対してどの程度ロバストであるかを実験により評価する.CF-based見積り手法は,ソフトウェア開発プロジェクトの特性値(規模,工期など)を説明変数とし,目的変数である工数を見積もる手法であり,説明変数に未記録の値(欠損値)が含まれる場合にも適用できることが特長である.ただし,欠損値の生じるメカニズムの違い,及び,欠損率の変化が,見積り精度に与える影響(ロバスト性)は従来明らかでなかった.本論文では,欠損値が生じる三つのメカニズムを想定し,それぞれについて欠損率を変化させたデータセットを多数作成し,各データセットを用いて工数見積りを行うことで,ロバスト性を実験的に評価した.実験の結果,CF-based見積り手法が,従来手法であるステップワイズ重回帰分析と欠損値処理を併用する手法よりもロバスト性が高い,すなわち,欠損のメカニズムにかかわらず,欠損率が増大しても見積り精度が大きく低下しないことが示された.