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構成情報の照合による宅内通信機器予備診断方式
吉原 貴仁 神山 健 石井 健太郎 堀内 浩規
誌名
電子情報通信学会論文誌 B
Vol.J89-B
No.4
pp.507-518 発行日: 2006/04/01 Online ISSN: 1881-0209
DOI: Print ISSN: 1344-4697 論文種別: 特集論文 (ネットワークソフトウェア論文特集) 専門分野: キーワード: 診断, 障害管理, ホームネットワーク, UPnP,
本文: PDF(1.2MB)>>
あらまし:
本論文では,モデム,ブロードバンドルータ,並びにPCなど,x DigitalSubscriber Line(xDSL)インターネット接続のために宅内に導入,設置される宅内通信機器を対象に,これらを定期的に監視し,障害と疑われる事象を検出すると利用者に代わって診断,典型的な障害の原因を特定し,定型的な処理で復旧できる障害を復旧する予備診断方式を新たに提案する.宅内通信機器の診断にはインターネットに関する専門知識や経験が必要である.このため,接続設定や障害に関する利用者からの問合せを受け付けるヘルプデスクがあるが,労働集約的,知識集約的で障害原因の特定に時間を要するなど,円滑な継続利用の妨げとなる問題がある.そこで本問題解決の一環として,提案方式では初期設定や設定変更を通じて正しく設定された構成情報の値をログとして保存,管理し,障害と疑われる事象を検出する際には,機器やアプリケーションの現在の構成情報の値とログに保存された値とを照合することにより原因を特定する.提案方式を予備診断プログラムとして実装し,筆者らが先に開発した宅内通信機器自動設定システムと統合して提供する.予備診断プログラムは宅内PCに常駐して,自動設定システムにより正しく設定された構成情報の値をログとして管理し,診断や障害原因の特定を行う.実環境で予備診断プログラムを評価した.常駐に必要なメモリ容量並びに監視に必要な帯域はそれぞれ10,600 kByte,215.6 bit/sと小さい.また,実用的な処理時間で典型的な障害の原因を特定し,障害復旧する.更に,予備診断プログラムを一般利用者に5カ月間試行提供した.結果,初期設定後に生じる技術問合せ件数を利用者数比で1カ月当り0.0060件/(利用者数 ・ 月)から0.0038件/(利用者数 ・ 月)に削減し,インターネットの円滑な継続利用を可能にしている.
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