IEEE802.11n高速無線LAN実現に向けた20/40 MHz端末共存方式

宇都宮 依子  旦代 智哉  足立 朋子  高木 雅裕  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J89-B    No.2    pp.153-170
発行日: 2006/02/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (国際標準に向けたテレコム技術とその効用論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
無線LAN,  IEEE802.11n,  40 MHz,  MAC,  プロトコル,  

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あらまし: 
近年,無線LANの急速な普及とともに,動画像の配信やインターネットゲームといった高伝送を要するアプリケーションが増加している.これに伴い無線LANの高速化が必要とされており,現在,100 Mbit/s以上の実効スループット達成を目標として物理/MAC層双方の拡張を行うIEEE802.11n無線LAN規格の標準化活動が進められている.IEEE802.11nではMIMO技術が注目されているが,それ以外にも伝送速度の高速化を実現するためのアプローチの一つとして,20 MHzから40 MHzへと通信帯域を拡大する方法が検討されている.しかし,40 MHz通信に使用する2チャネル双方に20 MHz端末が存在し,各チャネルが連携せず自律分散的にCSMA/CAによるチャネルアクセスを行っている場合,従来のCSMA/CA方式をそのまま適用しても40 MHz通信用として2チャネルを同時に確保することは困難である.一方,20 MHz通信端末においても,40 MHz通信端末のキャリヤセンス方法によっては40 MHz通信端末による衝突や干渉が増加し,20 MHz通信が阻害されるという問題が生じる.そこで本論文では,20 MHz通信端末と40 MHz通信端末が互いの通信を阻害することなく共存するためのMACプロトコルを提案する.理論解析及び計算機シミュレーションにより提案方式の特性を評価し,40 MHz通信時に同一帯域内に20 MHz端末が存在していても,20/40 MHz通信が共存する方式として提案方式は有効であることを示す.本提案20/40 MHz端末共存方式は,IEEE802.11nにおける提案グループの一つであるTGn Syncの仕様書に採用されている.2004年8月にIEEE802 TGnに対して提案され,現在も議論されている最中である.