TDOA型センサネットワークにおける階層型粒子フィルタを用いた位置推定法

谷口 健太郎  河野 隆二  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J89-A   No.12   pp.1068-1078
発行日: 2006/12/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 特集論文 (センサネットワーク論文小特集)
専門分野: 位置検出
キーワード: 
位置検出,  トラッキング,  TDOA,  粒子フィルタ,  センサネットワーク,  

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あらまし: 
センサネットワークにおいて,個々のセンサタグの位置情報を正確に把握することは非常に重要である.センサタグの測位方式としては,信号の受信時刻差(Time Difference of Arrival:TDOA)を利用した測位システムが知られているが,従来の線形探索アルゴリズムではマルチパスフェージングや見通し外伝搬路の影響で大幅に測位精度が劣化してしまう.本論文では,このような劣悪な伝搬環境においても信頼性の高い測位を実現する方式として,階層型粒子フィルタを用いた測位アルゴリズムを提案する.提案方式では,複数の基地局ノードが測位対象であるセンサタグからの信号を受信し,二階層にわたって粒子フィルタによる状態量推定を実行する.第一階層では,基地局ノードで得られた個々のTDOA観測値に対し,粒子フィルタを用いてマルチパス補償を行う.この際,非ガウス状態空間モデルを利用することにより,見通し外伝搬路に起因する測定異常値を効果的に除去することが可能となる.続いて第二階層では,修正された全TDOA観測値を用いて,粒子フィルタによる位置推定を行う.第一階層での観測値補正により,最終的に得られる測位精度が大幅に改善されることを示す.また計算機シミュレーションにより,提案アルゴリズムが従来方式に比べてより高精度で,見通し外環境に対してもロバストな測位を実現できることを示す.