多段スペクトルサブトラクション法を用いた楽音の強調

岡崎 雅嗣  国本 利文  小林 隆夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J88-D2   No.12   pp.2301-2310
発行日: 2005/12/01
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 音声,聴覚
キーワード: 
スペクトル減算法,  楽音強調,  多段スペクトル減算法,  分析窓長,  プリエコー,  

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あらまし: 
スペクトル減算法(SS法)は元信号が周期的である場合,雑音低減手法として効果的であるが,元信号がピアノの打弦時の音やパルス性の音など周期性が弱い信号の場合,十分な性能が得られない問題がある.そこで,本論文では周期的とみなせない性質を含む楽音信号を様々な周波数と持続時間をもつトーン信号と呼ぶ正弦波成分の集まりと考え,まず,SS法においてトーン信号の持続時間に応じて分析窓長を適切に選ぶことが重要であることを示す.そして,実際の楽音をこのような多様なトーン信号の集まりであると考え,それぞれの信号に対応するために,異なる分析窓長からなるSS法を複数段接続した多段SS法を提案する.更に,ピアノ曲を元信号とした多段SS法の処理を行うことで,従来のSS法の分析窓長を長くした場合に生じるプリエコーを回避しながら,周期的な信号を強調できることを示す.