2チャネル音声集音系における楕円積分を乗算係数に用いたスペクトル減算法

小早川 健  比留間 伸行  浦谷 則好  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J88-D2   No.10   pp.2029-2036
発行日: 2005/10/01
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 音声,聴覚
キーワード: 
音声認識,  雑音除去,  スペクトル減算法,  最ゆう推定,  楕円積分,  

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あらまし: 
雑音環境下で音声認識性能が劣化する問題に対し,スペクトル減算法が提案されて久しい.初期の方法は,固定の減算係数を用いてスペクトル減算を行い,減算係数は予備実験により事前に決定するものであった.後に,雑音環境(SN比)に応じて減算係数を変化させる方法 ―非線形スペクトル減算(ノンリニアSS)法が提案された.本研究では,これらの経緯を踏まえ,今一度スペクトル減算法の原点に帰って,理論的な定式化を試みる.そして,音声に雑音が重畳した場合に,もっともらしい雑音重畳音声を解析的に求める.これにより,スペクトル減算法では,従来から用いられてきた減算係数以外に,楕円積分を用いた乗算係数が必要になることが導かれる.本研究では,この乗算係数を用いたスペクトル減算法を提案するとともに,乗算係数を用いたスペクトル減算法と従来法との混合法を提案する.提案法の効果を検証するために,主マイクと参照マイクを併用した2チャネル音声に対して提案法を適用して得られる音声特徴量を用いた音声認識実験を行う.SN比が既知の実験では,広範囲なSN比の環境において,混合法の有効性が確認された.