フェロモンモデル:交通渋滞予測への適用

安藤 靖志  深澤 良彰  増谷 修  佐々木 宏  岩崎 弘利  本位田 真一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J88-D1   No.9   pp.1287-1298
発行日: 2005/09/01
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Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 特集論文 (ソフトウェアエージェントとその応用論文特集)
専門分野: モデル/理論
キーワード: 
フェロモン,  道路交通システム,  渋滞予測,  交通シミュレーション,  

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あらまし: 
蟻や蜂を代表とする社会性昆虫は,フェロモンと呼ばれる情報伝達物質を利用することで,トップダウン式に情報を与えなくても高度な群行動をとることが知られている.我々は,交通情報の集中的な制御に潜在する様々な問題を解決すべく,ITSに対して,このフェロモンのメカニズムの適用可能性を検討してきた.本論文では,車速センサを搭載した車をフェロモンの発生源とみなし,フェロモン量の変化を交通の集中度として表現することで,交通管制センタを介さず,より新鮮な周辺情報を利用して狭範囲,短時間先の渋滞予測を行う手法を提案する.そして,本手法の有効性を検証するために,実測交通データを用いてシミュレーションを行った.シミュレーションでは,各々の車エージェントが自車付近の渋滞情報をフェロモンとしてその場に残しながら走行する.このフェロモンは蒸発・拡散モデルに従って周辺に分布させた.その結果,後続車に対して有用な予測情報を提供できることを確認した.更に,フェロモンの発生・蒸発パラメータに応じた予測精度の変化を,シミュレーション実験より明らかにした.