ネットワークオンチップにおけるローカルラベリング方式の評価

安生 健一朗  鯉渕 道紘  山田 裕  上楽 明也  天野 英晴  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J88-D1   No.6   pp.1076-1090
発行日: 2005/06/01
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Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: VLSIシステム
キーワード: 
ネットワークオンチップ,  相互結合網,  システムオンチップ,  

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あらまし: 
本論文では,従来のSoC(System-on-Chip)におけるバス接続の代替として注目を集めるNoC(Network-on-Chip)において,低コストでネットワークを構築可能とするルーチング方式として,ローカルラベリング方式を提案する.本方式では,想定される応用の通信パターンを事前に静的に解析し,通信が生じるノードペアにのみ,あて先を示す識別子(ラベル)を割り当てる.このラベルを2進数表示した際に必要となるビット数が,従来のあて先ノード番号を用いた分散ルーチングに比べて少なくなる場合に,ルータ内に搭載する必要のあるルーチングテーブルの容量を低減可能となり,ルータのハードウェア量を低減できる.本研究では,このラベルを割り当てる手法としてルータ間の各経路でのみ有効なローカルラベルを用い,その割当アルゴリズムとして更新型及び非更新型ラベリング手法を提案し,最小限のラベル数を実現するための検討を行った.代表的なマルチメディアデータを扱うストリーム処理アプリケーションの通信パターン数種類を評価した結果,16ノードでは,従来の分散ルーチングでは4 bitのあて先ノード番号を識別子とするのに対し,提案方式を用いれば3 bitのローカルラベルで実現可能となった.その結果,ルータを実現するためのハードウェア量を46%低減できた.SoCの一例として320 kゲートを要するビタビデコーダを15ノードに分割して実現した場合,全ゲート数に対してルータの占める割合は,従来のあて先ノード番号を用いた分散ルーチング方式が19.5%であったのに対し,15.8%に改善することを確認した.