スクリーンリーダの詳細読みの理解に影響する要因の検討―構成の分類と児童を対象とした漢字想起実験―

渡辺 哲也  渡辺 文治  藤沼 輝好  大杉 成喜  澤田 真弓  鎌田 一雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J88-D1   No.4   pp.891-899
発行日: 2005/04/01
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: 福祉工学
キーワード: 
視覚障害者,  スクリーンリーダ,  詳細読み,  漢字,  語彙,  

本文: PDF(267.5KB)>>
論文を購入




あらまし: 
重度視覚障害者のコンピュータ利用を支援するスクリーンリーダには「詳細読み」という読み方が装備されている.これは,コンピュータで取り扱う文字を音声で一意に特定させるため,各文字にそれぞれ異なる説明的な表現を割り当てたもので,特に同音の漢字の区別に必須である.この詳細読みの一部にもとの漢字を想起しづらいものがあるという問題が提起されてきた.そこで,まず既存のスクリーンリーダ4種類から教育漢字1006字の詳細読みをテキストに書き起こし,その構成と語彙の観点から,もとの漢字の想起を困難にする要因を考察した.次に,スクリーンリーダを児童が利用した場合の問題を探るため,詳細読みを聞いて想起した漢字を書き起こさせる実験を小学校で行った.その結果,8割以上の詳細読みは50%以上の正答率を得た.他方で50%未満の正答率となった詳細読みを,同じ漢字で正答率の高かった読みと比較・検討したところ,児童の語彙範ちゅうにない説明語の使用が最も大きな要因であることが分かった.誤答の要因として次に多かったのは,同音異字のある説明語の使用であった.