任意の公平性を提供できるスケーラブルIP-VPNフロー制御機構

本田 治  大崎 博之  今瀬 真  村山 純一  松田 和浩  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J88-B   No.8   pp.1454-1467
発行日: 2005/08/01
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: インターネット
キーワード: 
IP-VPN(IP-based Virtual Private Network),  公平性,  ウィンドウフロー制御,  AIMD(Additive Increase and Multiplicative Decrease),  

本文: PDF(1.6MB)>>
論文を購入




あらまし: 
近年,IPネットワークを利用して仮想的な私設網を実現する,IP-VPN(IP-based Virtual Private Network)が注目を浴びている.既存のIP-VPNは,IP-VPNの顧客間の公平性が保証されないという問題がある.本論文では,公平なIP-VPNサービスを実現するための,IP-VPN公平性制御機構I2VFC(Inter- and Intra-VPN Fairness Control)を提案する.I2VFCは,IP-VPNサービスプロバイダのプロバイダエッジルータ(PEルータ)間で動作する,AIMD(Additive Increase and Multiplicative Decrease)型のウィンドウフロー制御である.提案するI2VFCでは,AIMD型ウィンドウフロー制御の解析結果を利用することにより,VPN間公平性の基準を,IP-VPNのサービスプロバイダが自由に規定できるという点が特徴である.また,PEルータのみを変更するだけでよく,既存のIPネットワークへ容易に導入が可能である.本論文では,シミュレーション実験及びプロトタイプシステムを用いた実験により,提案するI2VFCがどの程度設計目標を満たしているかを定量的に評価する.その結果,(1)I2VFCの制御パラメータの設定によらず,非常に高い精度でVPN間公平性が実現できること,(2)ボトルネックリンクが複数存在する複雑なネットワークにおいても,Max-Min公平性を含んだ任意の公平性を実現できること,(3)ネットワーク全体のふくそうを分散させることにより,結果としてエンドホスト上で動作するTCPの公平性(VPN内公平性)を向上させること,(4)転送速度及び収容するVPN数に関して高いスケーラビリティをもつこと,などを明らかにした.