指向性と偏波を制御するSDMA構成の提案

小宮 一公  西森 健太郎  長 敬三  堀 俊和  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J88-B    No.7    pp.1289-1299
発行日: 2005/07/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 無線通信技術
キーワード: 
スマートアンテナ,  SDMA,  指向性・偏波制御,  端末,  屋外環境,  

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あらまし: 
本論文では,スマートアンテナ基地局と端末アンテナの両方に偏波共用アンテナを用いてSDMA(Space Division Multiple Access)の多重数を増加できる新たなSDMA構成を提案する.提案構成では,基地局スマートアンテナが端末間の相互相関を受信時に監視し,同時に接続される端末間の相互相関が最小になるように,各端末が送信すべき偏波(垂直若しくは水平偏波)を決定する.提案構成における端末は,垂直若しくは水平偏波のアンテナを切り換えて信号が送信できる構成であり,基地局で決定された偏波を用いて送信を行う.提案構成は,垂直と水平偏波を用いたスマートアンテナ基地局によるSDMAの空間分離能力の向上だけでなく,端末間の干渉量を考慮して端末の送信偏波を切り換える構成を各端末がとることにより,SDMAの多重数増加に伴う伝送品質の劣化を補償することが期待できる.提案構成は,TDD回線若しくはFDD回線における上り回線に対して適用可能である.計算機シミュレーションにより,伝搬路の交差偏波識別度(XPD:Cross Polarization Discrimination)や端末数が変化する場合の提案構成の基本特性を明らかにすることで,提案構成は従来の垂直偏波を用いたSDMAに対し端末分離能力が向上しSDMAの多重数増加に有効であることを示す.更に,屋外環境において,基地局アンテナと端末アンテナがそれぞれ鉄塔上と車上に設置される場合の垂直偏波と水平偏波の伝搬特性(振幅と位相値)を明らかにするとともに,端末が複数存在する場合を想定した提案構成の特性を示し,実環境でも提案構成がSDMAの多重数増加に有効であることを示す.