CT画像における構造解析に基づく肝臓内血管の抽出と肝臓癌の検出

齊藤 剛史  池田 雅敏  青木 公也  金子 豊久  関口 隆三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J87-D2   No.6   pp.1359-1368
発行日: 2004/06/01
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
CT画像,  血管抽出,  肝臓癌,  グラフ構造,  3次元構造解析,  

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あらまし: 
近年,高解像度のマルチスライスCT画像が肝臓癌診断に用いられるようになってきた.従来の2次元画像に基づいて肝臓癌を検出する手法では,3次元構造をもつ癌を検出するのは困難であった.本論文では,しきい値法を用いて抽出した3次元肝臓内血管に基づく肝臓癌の検出法を提案する.最初に腹部大動脈から血管を追跡し肝臓の入口を決定する.癌を検出するためには正確な肝臓内の血管領域を抽出する必要がある.そこで肝臓入口付近で仮しきい値を求め,これを基準にしきい値を増減させて血管の構造解析を行い,最適しきい値を決定する手法を提案する.構造解析は血管を細線化し,有向グラフを構築することにより実現する.しきい値が低すぎる場合,血管領域の過抽出によりループが生じる.この性質に着目して,最適しきい値を決定する.2段階により行われる癌検出は,1次検出は抽出された血管領域に含まれる癌を見つけるのに対し,2次検出は抽出されなかった領域から癌を検出する.7症例による実験の結果,10個すべての癌を検出し,誤検出は3個であった.