超音波RF信号に信頼度付き階層的相関法を用いた心筋層内局所機能評価

関岡 清次  國定 紀宏  鶴岡 信治  石井 裕丈  大山 航  若林 哲史  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J87-D2   No.1   pp.98-108
発行日: 2004/01/01
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 特集論文 (医用画像技術の最先端論文特集)
専門分野: 超音波
キーワード: 
超音波RF信号,  スペックルノイズ,  心筋壁内機能,  組織性状推定,  心筋追跡,  

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あらまし: 
心筋壁内局所機能の評価は組織性状推定や病態の早期診断に重要であり,臨床的に注目を集めている.これには空間分解能と信頼性の高い計測が重要である.組織の動きによるドップラー位相情報を用いた手法が提案されているが,この位相信号は組織散乱信号の位相干渉のため不安定な計測要因となっている.そこで超音波反射波の高周波信号(RF)を高速にA-D変換して信号処理する手法を検討した.超音波RF信号に階層的相関法と,相関係数を運動追跡の信頼度と考え,その信頼度による位置補正を加えた,新たな手法を提案する.本手法を健常者と病的心臓に適用し,心筋層内局所の運動追跡を行った.その結果,単純な相関法に比べ,1心周期での追跡誤差は約5分の1となった.また,心筋層内局所のひずみ変化をカラー表示して臨床的評価を行った.本法では健常例での心外膜付近と心内膜付近の心筋の動きとの違いを定量的に把握でき,健常例と各疾患例による心筋運動の違いを明確にすることができた.また,本手法による運動追跡手法を用いて同一心筋組織からの超音波後方散乱信号(Integrated backscatter: IBS)を自動計測した.心筋壁内の部位での差や正常例と疾患例の差を客観的に検出でき,心筋組織性状を非侵襲的に評価できる可能性を有する.