通信遅延を伴う分散仮想環境データのテイラー展開による予測手法

米倉 達広  塙 大  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J87-D2   No.12   pp.2209-2220
発行日: 2004/12/01
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Print ISSN: 0915-1923
論文種別: 論文
専門分野: マルチメディア処理
キーワード: 
分散仮想環境,  通信遅延,  予測,  テイラー展開,  予測誤差,  

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あらまし: 
本論文では,まず遅延のある仮想空間上において離散時刻にのみ観測される仮想ユーザ(アバタ)の動きを精度良く推定し,現在の相手アバタの動きを予測する一般的な考え方と実現方法を導出する.次にその手法に基づいて,従来から広く用いられていた予測手法により生ずる予測誤差を理論的に解析する.この解析手法の開発は,これまでad. hocに提案されていたアバタ間の予測型インタラクションプロトコルモデルのもつ性能に対して理論的根拠を与えると同時にその適応範囲を示唆するものであることを示す.本論文の対象は遅延を伴って観測される仮想オブジェクトやアバタの属性情報である.これらは本来,時間的に連続な空間ベクトルの動きとみなせるため,これに対する時間軸上でのテイラー展開の適用は,精度の良い予測や補間を可能にすると考えられる.本論文ではこの具体的なアルゴリズムの導出とその性質の解明により,アバタ属性に対する予測の際の平均予測誤差の算出法を導出する.これら一連の手法により,アバタに対する予測の精度が,それに用いる予測式や入力データ(時刻印や更新間隔)にどう依存するかが明らかとなり,その結果急増する遠隔操作型アプリケーション設計時の操作性への指標を与えることが可能となろう.テイラー展開の次数をパラメータとする実データの平均予測誤差,並びにこの予測誤差と提案手法による予測誤差モデルとのずれ,すなわち理論モデルの近似精度を数値シミュレーションで求め,提案モデルの有効性と適用範囲を実験的に検証する.